February 26, 2024
梅春の銘作紹介 vol.7 ARROW FOOTWEARのNatur Military Cap Derby (B.A.T別注)
月末が迫っているからでしょうか、今日は月曜日だというのにお客様がそこそこにいらっしゃって色々と動いてました。このところ季節の変わり目にピッタリという事もあって長袖Ｔシャツの動きが活発なのですが、その中でも特にヴィクトリアアスレーチックスのヘンリーネックのワッフルの物が動いてまして、昨日も今日もお買い上げ頂きました。やはり北米カナダ製にして8,580円というのはあまりにお得感がありますので。USA・カナダ製でこのクオリティでアンダー１万で買える長袖Ｔシャツはまずありませんしねぇ。そしてハードシェルの動きが良くなりつつありまして、今後ウィンドストッパーやインフィニウムという表記は残るのですが、ゴアテックス社がゴアテックス生地のラインナップを刷新する過程でゴアテックスの３レイヤー生地の供給先を制限しつつあり、結果としてゴアテックス表記のマウンテンパーカが少なくなってきてる事もあって、フォックスファイヤーのゴアテックス表記のシェルの動きが良くなりつつあります。それに加えてこの気温の状況でも着用していて丁度良いノービットのSOLOTEXを使ったフィールドジャケットやスバルバールアイランズのDARITEXを使ったピラミデンジャケットも動いており。今後この手のアイテムの動きが良くなっていく、というかこの暖冬傾向が続くとなると、それが真夏を除いた時期に着る服のメインアイテムになっていくんじゃないかと思っております。
とまぁカジュアルに着られるアイテムではこんな感じの動きが見えるのですが、ジャケットやスラックスやネクタイといったアイテムも昨日書いた通りで動き始めており。そこでこれはという事で紹介したシューホーン繋がりで本日はビジネスにも使えてドレスカジュアルにも合わせられる現代ではもう有り得ない価格の英国靴を紹介させて頂こうかと。
このアロウフットウェア、正式にはアロウフットウェアバイホワイトアンドコーというのが正式名称。アロウフットウェアで検索するとなんかポップなクロックスみたいなインジェクションサンダルが出てきちゃいますが、それとは全く関係ありません。1890年創業の英国の老舗靴工場にしてメーカーであるWhite&Co.、現在もブランドは存続していてそのネームで靴を作っておりますが、最盛期は複数あった工場も次々と閉鎖し、現在はベンチャーキャピタルが所有する会社となり、なんとか生産ラインを維持しているメーカーとなっております。ですがその歴史は華々しく、アジア生産の安価な靴が英国に流入してくる前までは、英国軍の軍靴から庶民の足としてのグッドイヤーウェルト製法の靴を比較的安価に供給してくれる大規模メーカーでした。そしてその歴史の中で特に彼等の実績としてな高い英国軍のオフィサーシューズのコレクションに特化してアロウフットウェアとしてブランド化したのがこのシリーズ。アロウフットウェアのアロウは英国軍のトレードマークであるブロードアロウの刻印を許された実績のあるモデルのみで構成される事から命名されたものでした。
さてその最も有名なアイテムがミリタリーキャップトゥ、ストレートチップの縫い付けを３本のステッチで行うモデルで、中でもダービー、外羽根の物が一般的で、第二次世界大戦終結後に退役した軍人が履いていた事もあって、ミリタリーファッションにおいては英国スタイルなら足下はこれ、というぐらいに認知度の高い物です。まずはそれだな、という事でそのモデルを使って革を現行の革ではなく第二次世界大戦時に英国軍が採用していたナチュールというカーフに置き換えて別注する事で当時の面影を忠実に再現。それに加えて幾つかディテールにも変更を加えております。
1番の見た目での変更点はアイレット。元々ミリタリーキャップトゥとして特徴的に使われているのが鳩目を打っているアイレット(紐を通す穴)。ですがそれですと金属の鳩目が夜月明かりとかを反射して光り、存在が明らかになるのでよろしくないのではないかと。まぁオフィサー＝士官が軍礼服を着用の際に履く物なのでそんな心配は要らないのかもしれませんが、そこを意識して鳩目を裏側に打って紐通しのし易さはそのままにブラインド、表から見えない仕様にしました。そしてソールもコマンドソールも選べましたが現代においてはこのストレートチップのステッチ以外はパッと見典型的にスマートな英国靴になっていることを踏まえてダイナイトソールを合わせました。
これによりビジネスでもミリタリーテイストにする事でカジュアルダウンしつつ、見た目にシュッとしてますけど実際履くと結構幅があって履き易い履き味で日々の仕事を快適に過ごせる１足に。しかもダイナイトソールなので天候を選びません。サイズもバッチリ6.5・７・7.5・８・8.5と５サイズ展開で、別注ミニマムが結構大きかった事から足数を発注時に結構積んだので奇跡的に現在でもサイズ欠けがありません。これが43,780円(税込)というのは奇跡としか言い様がなく。しかも黒は冠婚葬祭にも使えるストレートチップですので特にオススメです。今ではこのクラスも全て７万円台になってしまっておりますので。
という事で明日はこれに合わせるならこれだよね、というパンツでも紹介しようと思っております、お楽しみに。
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