October 29, 2024

秋の新作紹介 vol.21 CONCORDの1970's MA-1 (80's Dead Stock)


長袖Tシャツ1枚だと寒いぐらいに気温が上がらなかった上に午後からしっかり雨が降り、ますます気温が下がるという1日でした。まぁ判ってはいましたが。しかしこうなると元々本日取り置き分を引き取りにいらしたお客様以外はほとんどいらっしゃらず。それもあってキルティングジャケットくらいのライトな中綿のアウターを店頭に出しつつ、シャツもウールのシャツ等このぐらいの気温で丁度良いシャツを一気に店頭に出しました。これぐらいの気温に安定してなる様になってくれれば多くの方が秋冬アイテムをお求めにいらっしゃると思うのですが。流石に11月はライトアウターを中心に動いてくれる事でしょう。

そんな気温の今日に合わせて、そしてここ2日間のハイクオリティなミリタリーアイテムでのブラックコーデの提案と続けて、今シーズン取ったデッドストックミリタリーアイテムであり、丁寧に使って今後10年以上経つと程度の良いヴィンテージ物として高額アイテムになるであろう、スペシャルな米国製MA-1を紹介させて頂きます。

偶々取れたので1点しかなくあっさりお買い上げされてしまったので、季節を無視して晩夏初秋の新作紹介で50年代に採用された初期型を紹介しておりますが、こちらはメインで取った70年モデルの仕様で作られた70年モデルです(これ以外に70年代後半のグランドスタッフモデルがあります)。先に紹介してある方にこの40年以上前に作られた物がどういった経緯の物なのかについては詳しく書いておりますので、そちらを読んで頂くとして、こちらはこちらでヴィンテージ市場で人気のアイテムでして、それについて書いておこうと思います。

丁度日本では長らくアルファインダストリーのライセンスホルダーだったEDWINからTSIにライセンスが移る事もあって、ここぞとばかりにEDWINがその辺中でコラボ展開しておりますが、このコンコルドネームの70年代前期モデルはベトナム戦争終了後に米軍からの発注が激減した80年代に、当時アルファインダストリーがまだ米軍のオフィシャルサプライヤーだった為にアルファネームでの海外市場での販売が出来ず(現在は元オフィシャルサプライヤーだという事を売りにしてますが現行のオフィシャルサプライヤーではありません)、ヨーロッパ市場向けにコンコルドネームで作られた物でしたが、米軍の規格その物から過剰に入っていた中綿を減らしただけで、全ての生地とパーツと仕様がそのままミルスペックの物と同じでした。見た目に違うのは左上腕部のポケットに付いたタグがアルファのAではなくコンコルドのCだった事ぐらいです。加えて左ハンドウォーマーポケットの中に識別番号の描かれた白い織りネームとコンコルドのロゴと共に“Made in USA”の記載のある黒い織りネームが入っております。

初期型というか50年代の1stモデルから時代に合わせてん改修が加えられて、主な変更はポケットにフラップが付いた事と裏側がエマージェンンシーオレンジになりIDEAL社のフロントファスナーが引き手が表と裏両方に付いている物にされて裏返しても着られる様にしてある事です。そして胸に付いていたホースクリップを留めるタブとヘルメットにジャックを挿す仕様の通信ケーブルだったのでそのケーブルがバタつかない様に留めておく為の左右に付けられたタブが廃止された事です。

これは1963年に現在も我が国のブルーインパルスが使用しているF-4ファトムの配備が始まり、超音速ジェット戦闘機の時代を迎えた事で、機体の機密性が上がった事でエアホース付きのヘルメットが使われなくなりホースクリップが要らなくなり、同様に通信ケーブルも廃止になったのでそれらのギミックは無くなります。そしてポケットの中の物が加速時のGと急降下時の低重力の中で飛び出さない為のフラップが付いた訳です。エマージェンシーオレンジの内側が採用されたのは1961年ですが、これはジェット戦闘機には撃墜された際に脱出シートが装備されたのですが、脱出後の救出率が低かったので発見され易い様にエマージェンシーオレンジの裏地が採用されました。そして実際に戦闘機パイロット用として採用されたMA-1の最終モデルである70年モデルではファスナーの引き手がリバーシブル仕様に変更して、MA-1は完成形となります。

ただ78年にグランドスタッフ用に70年代後期モデルが出ますが、こちらでは表側から見たディテールは変わりませんが、裏側のエマージェンシーオレンジとリバーシブルファスナーが廃止されておりますのでこれは廉価量産モデル的な物ですから、これを完成形とは言わないでしょう。

で、何故このコンコルドネームの80年代米国製モデルが貴重かと言いますと、これ80年にスティーブ・マックィーンの遺作となった映画“ハンター”で彼が着用していたのがこのコンコルド社の70年モデルのオリーブグリーンの物だから。当然大脱走でMr.アメリカンのポジションを確立した彼が着用したオリーブグリーンはマックィーンモデルとして知られ、今もしデッドストックの良いサイズのが出てきたらとんでもない高額になるでしょうけど、古着でしか見た事ないですがそれでも10万以下にはなりません。リアルマッコイズやベルスタッフが同じディテールとサイズ感でレプリカモデルを出すぐらいですので。

そしてこれ現行のアルファが出してるモデルと比べても着丈が長くアームホールが若干スッキリでとてもシルエットが良いんです。ヴィンテージとなっているシルエットはこのモデルを元にしておりますが、まずファスナーがプラだったりリバーシブル仕様になっていなかったり、引き手が小さかったりでなんちゃって感が微妙です、これと比べると。そして価格も何気に中国製で結構していて3万円台半ば以上が中心価格帯。今回これ、USのMとLの2サイズで取れてまして、基本Mサイズがゴールデンサイズです。かなりガタイの良い方でLですね。そして価格は33,000円(税込)。もう既にかなり減ってはおりますが、なんとかサイズ欠けもせず残っております。

ECサイトを見ても枯渇していて、あってもXLとかXXLとかで4万近い価格だったりで、ゴールデンサイズはずっと前にソールドアウトしているサイトがそのまま残っているところばかりです。ど定番だけに米軍放出のデッドストックでも出てくればそりゃとんでもない価格でしょうけど、このコンコルドネームの米国製モデルも大事に使っておけば20年後には10倍の価格にもなろうかというアイテムです、是非チェックしておく事をオススメします。

さて。明日は今日より最高気温が4℃上がって22℃予報でして、過ごし易さ復活ではあるのですが、ここは唯一残っているロイヤルロウのジャケットの紹介をしておこうと思います、お楽しみに。
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Posted by mercier at 22:50:00 | from category: Main | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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