August 17, 2024
晩夏初秋の新作紹介 vol.1 Ambrose Leather CraftのDead Stock Reversible Canvas Stripe Tape Webbing Belt
今日は午前中からお客様が続き、お昼を買いに出られない程ではありませんでしたが、忙しく過ごしておりました。しかも台風一過で暑いの何の。やっぱ10℃の気温差は伊達じゃありませんでした。体温超えてくると空気自体が暑く感じられるので、こうなると接触冷感のある生地の長袖を羽織っていたりした方が涼しく感じられる、中東あたりの服装と同じレベルになってしまいます。そんな気温の中足を運んで下さったお客様には大変感謝しております。
そしてファイナルセール期間も明日で終わり。一気に円安が進みしかもその状況がそうそう改善されない事も間違いない中、秋物が入荷してくる晩夏でもあり、しかも円安の大きな一因が世界的なインフレにある事を考えると、今店頭もしくは在庫にあるインポートアイテムは基本入荷時の価格を維持してますから相対的に非常にリーズナブルな美味しいアイテム、という事になりますが、反面じゃぁその新たに入ってくる物はどうなんだ、という事に。これが長年営業してきているからこそのジレンマでして、言い訳はいくらでも出来ますけど、その円安やインフレのせいでインポートアイテムの価格が大幅に上がっているので、とか価格を優先するとクオリティが下がるので、とかそういう言い訳してみたところで納得がいかない事に変わりがない、という。なのでこの状況下であっても納得のいくクオリティと価格を維持しなければならないという非常に難しい条件で新作アイテムをセレクトしなければならないのです。
当然そんな中で相対的に美味しくなっている既存のアイテムは早い者勝ちでどんどん減っていくのが今年は顕著だろうと思っております。それでも高くなるなら高くなるでどれだけその中で納得して頂ける物を提案出来るのか、というのが今年の秋冬の注目点でしょう。で、晩夏初秋の新作を紹介するにあたって初回に紹介するこのアイテム、とてもリーズナブルでそれでいて現在ではそうそう作る事の出来ないスペシャルアイテムです。
まず今回、私として突っ込まずにいられなかったのが、このベルトを提案してきたのが英国のアンブローズレザークラフトなのですが、これどこにもレザーが使われていない事。おいおいおいおいおいおい・・・これレザークラフトじゃねぇじゃん！！と思わず思ってしまいました。とまぁ、それはさておき。
ヘラルディックベルツのテープベルトもデッドストックの綿テープを使って作られておりますが、多様性と生産効率のどちらを優先するか、という点においては多様性でもダイバーシティでも構わんのですが、そういった事をさも重視しているかの様な風潮にある現代の方が、実際は生産効率や利益率の方を優先している場合が多く見受けられるという矛盾した状況にあります。こういった織物のキャンバステープですが、表と裏で柄や色が違う二重織りで織った物、現代ではあまり目にする事がありません。技術的には現在も維持されているのですが、コストや生産ミニマムを考慮するとなかなか量産に至らないのでしょう。ですがかつて英国では夏の装いとしてテープベルトが多く作られていて、多様なテープが作られていた事からデッドストックで少量だけこの手のテープが出てくる事があり、現在ではもうそんな訳でなかなか市場に出されませんので、出てきた時にはサクッと押さえておくのがセオリーです。
今回のテープは両面ともストライプで、片面はモノトーン３色のグラデーション、反対面はモノトーンを基調にしながら白と黒でコントラストをはっきり出しつつ赤も入って落ち着いた中にも個性を主張する５色になっております。そのストライプの幅も片面は３本、反対面は９本と幅すら違います。ここまで凝ったストライプの二重織りテープはとても珍しく、英国製という点においても美味しいテープです。それを使って世代的に40代50代の方は懐かしいと思いますが、このウェービングバックルを使ったフリーストップのベルトに仕上げております。結果レザーを一切使わない、という事になってしまったのですが、このバックルがまた日本ではまず手に入らないイタリア製のバックルでして、今回はニッケル製のシルバーに輝くバックルを使用しております。
そして何が美味しいってこれ、現在でもランニングしている無地やプリントの面テープを使って定番展開する提案もされていたのですが、そちらとこのデッドストックのテープのリバーシブルの物とで(定番展開している物はリバーシブルではありません)変わらない価格で提案されており。何というか欲がないというか正直テープの端をバックルと同じ素材のテープ幅のかしめで留めて長さで切る以外はしていないので、資材の価格が完成品の価格のほとんどではありますが、それにしても4,950円(税込)はないでしょうよ、という破格の設定。
イタリア製バックルと英国製デッドストックリバーシブルストライプテープを組み合わせて英国で組み立てたベルトがこの価格というのは破格としか書き様がなく。しかもテープは30本ベルトを作る分だけしか存在しておらず、今回はこういうのを独占してしまおうという大人気ない取り方はせず、みんなで美味しい物は分け合いましょう、という精神で８本だけ発注しました。ですが先週入荷して既に残り５本になっており、まぁそりゃね、この価格じゃおまけ買い出来ちゃうし、価格に関係なくチープな作りだからこそジーンズなんかにこんなベルトをしてレトロ感を出しつつ実はそうそう手に入らないスペシャルアイテムをドヤれるなんてなかなかありませんから気になった方は是非押さえておく事をお勧めしておきます。
結果現状の経済状況の中でクオリティと価格を両立させようとすると、このベルトもですけど再現性がない事も美味しさに入ってきてしまうので、偶々今回はこの価格でこんなクオリティのこれ程レアなアイテムが提供出来ますが、次はないです、という事になりがちです。他のアイテムもざまざまな理由や努力で美味しさを担保したアイテムが今シーズンの提案に多く含まれておりますので、ご期待下さい。
という事で明日はファイナルセール期間最終日。今日よりは涼しくなって猛暑日は免れそうですので、是非多くのお客様にお越し頂ければと思います。アイテム紹介、明日はこれまた紹介前に数が大幅に減っている、偶然一味違うブライドルレザーを使えたクィックリリースベルトの究極仕様のベルトを紹介しますので、お楽しみに。
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