January 04, 2017

4年と3ヶ月ぶりのご飯ネタです! 〜染屋宗兵衛/嵐山〜

年末年始ネタ、という事で。年に2回、お盆と年末年始だけが私のまとまったお休みです。夏は子供が小学校に入って以来夏休みの自由研究兼ねての旅行になってしまうのでそれをメインで組まざるを得ないのですが、それに対して年末年始の旅行はある程度私の好みを反映させつつ、計画を立ててます。そうはいっても子連れなので子供の見聞や楽しさを考慮せざるを得ませんけどね。

一昨年の年末から昨年の正月にかけては大晦日に瀬戸内海の猫島とされる島のうち、比較的アクセスが良く島に宿泊施設がある所をメインに据え、現存天守のある丸亀城を見つつ四国八十八ヶ所の霊場のうち2つが同時にある観音寺を廻り、島に行って宿泊。翌日元旦に金毘羅山で初詣をして岡山に渡りそこで宿泊。3日目に後楽園を見て国宝の社殿を持つ吉備津神社にお参りして帰ってきました。

しかしその猫島が冬という事もあり今ひとつ猫が少なくて不完全燃焼でして。他は何処も行き応えのある良い感じなルートでもあり、ご当地グルメを楽しみもし、良かったのですが、それだけが心残りで今年はリベンジをしようという事で、琵琶湖にある日本で唯一淡水湖のある島で人が生活をしている島である沖島に行こうという事に。ただ泊まれないし小さいのですぐに廻れてしまうので、その後こちらも現存天守である彦根城に行って初日はお仕舞い、という計画だったのですが。アクセスの良い名古屋に宿を取ってから大晦日には彦根城の宝物館は営業していないという事が発覚。なんだよ、じゃぁ行っても仕方ないじゃん、という事で計画の変更を余儀なくされたのですが、その結果初日は京都に行く事に。

若かりし頃から足繁く通った京都でして、私としては特にこれといって何処に行きたいという新たな寺社仏閣はないので、嵐山か東山を散策するのが定番です。京都は本来点と点を繋いで廻る様な観光は効率が悪く風情も楽しめません。ですが今回は京都に宿が取れず。いや、ビジネスホテルみたいなところは空いていたんですけど定宿にしている町家の旅館が某海外の旅行口コミサイトでどうやら書かれてしまったらしく、欧米からのお客様で年末年始の部屋を全て埋められてしまった後でした。結果名古屋に戻らないといけないので、不本意ながら子供が行った事がなく、尚且つ行っておくと良いだろうという寺社を繋いでのルートを考え、その中になんとか自分の満足度の高い食事を組み込む、という計画を立てたんです。

ところがこれまたアクシデントが。嵐山でお昼を食べるなら、という事で私が行った時には予算的な事も含めてここにしています、という“鳥居本 遊山”がなんと今年はおせちの注文が多すぎて捌ききらず31日のランチ営業をお休みするという・・・・おいおいおいおい・・・・じゃあどうしよう、という事で同じ系列の別コンセプトのお店で、という事で初めて利用する事にしたのが染屋宗兵衛です。

結果的にルート取りとしてはムーンライトながら利用で朝7時半に京都入りしたので、朝一で京都駅近くの名物店という事で新福菜館と第一旭と2軒並んだラーメン屋で朝ラーメンを食べ、京都タワー銭湯で朝風呂を浴び、そこからスタート、という事に。子供がお守り欲しいというので北野天満宮に行って学業成就のお守りを求め、そこから歩いて等持院。足利歴代将軍の像を見て立命館大学の中を抜けて龍安寺へ。石庭と蹲踞を見た後、嵐電で嵐山に。清涼寺で国宝の渡来仏を拝んだ位で丁度お昼時、12時半になりました。

清涼寺から豆腐で有名な森嘉の前を通り(大晦日だというのに結構な行列が出来てました)、川沿いの道を右折してすぐに染屋宗兵衛はあります。この店は宿場料理を標榜していて、和食とフレンチ両方の料理人の合作になる和洋折衷会席を標榜する鳥居本遊山とは料理の趣が異なります。どちらかというと地元のお客様をターゲットに日々食べてほっとする奇を衒わないけど丁寧な仕事で満足のいく構成で、週1でも通ってもらえる位な感じを目指しているそうな。遊山よりかは若干コース価格が抑えめですが、メニュー構成をフレンチ的に魚と肉両方にすると5,000円のコースです。

店内は宿場料理というコンセプトそのままに、掘りごたつの席が並んでいます。宿場と言っても観光ルートからは少し外れているので大晦日の12時半は空いていて、とても気持ちよく過ごさせて貰えました。窓側角の席に陣取り、いざ開始。最初は突き出しと八寸をまとめた様な前菜の折り敷き。蟹を乗せた蒸し寿司と炊き合わせです。炊き合わせは大徳寺人参と紫芋、鱈子を固めた煮こごりと金柑の砂糖漬け、金山寺味噌を合わせた蕪です。次がお造り。鮪と鯛は定番として、甘エビは頭が付いていて味噌が入っており、卵を添えています。仕事がしてある物としてはアワビの酒蒸しに肝も蒸して添えた物、そしてイサキの皮側を焼霜造りにした物です。さらりとですが5種類のお造り、楽しませてくれました。


続けて椀物として出されたのが百合根饅頭。百合根を擂った中に鴨肉を入れ、霰をまぶして揚げた物に葛餡をかけてあります。これは食感の組み合わせを楽しむ料理ですね、柔らかい百合根餡と中の鴨肉、揚げてカリカリな霰、かけてある葛餡には蟹の身が散らしてあり、その上に大根おろしと、全て違う食感の物を合わせて食べる楽しさです。一つ一つの材料は奇を衒わない京都でなら普通に手に入るであろうオーソドックスな物ですが、それだけに食べ易く、尚且つそこに仕事がしてあると目先が変わって普通な食材でも楽しめる、というお料理です。次は魚料理に入る前の箸休めに冷たい朧豆腐です。流石は嵐山界隈、豆腐の名店が多いだけに朧豆腐は大豆の甘さが感じられる良い出来の物で、椀物の後に食べるのは温度差を含めて面白いです。


魚料理は杉板に乗せた奉書焼き。家庭でも比較的定番的なホイル焼きとやっている事は同じですが、杉板に乗せて奉書で包んで焼く事で余分な水蒸気は紙が吸ってくれ、杉板の香気が移って清々しい匂いになります。細かく刻んだ野菜を和えた濃いめの味噌を敷いた上に鯛と蕪や椎茸、赤蒟蒻を乗せて奉書焼きにしてあり、開けた瞬間の楽しさと香りといい楽しい魚料理です。一緒の折り敷きに胡麻豆腐と野菜の天婦羅2種、更にアンコウの唐揚げが付いていて、揚げ物と奉書焼きと食感が違う胡麻豆腐、結構な品数になってきております。そして肉料理。これは和食には無いものなので直球勝負、丹波牛のステーキでした。ソースも良い感じで付け合わせのしめじのソテーと一緒に食べると良いバランスでした。あまりにサシが入った和牛がそこ迄好きじゃないというか、大トロと同じでチョコッと食べたらそれで良いや、と思ってしまうので程よいサシで柔らかく、コースの一環としてはボリュームもこんな感じで丁度良かったです。


ご飯は湯葉餡掛け丼とちりめん山椒ご飯が選べたので湯葉丼に。赤出しと浅漬かりな京漬物と一緒に出されましたが、餡が多いのでサラサラと食べてしまいましたが、大喰らいな私をしてお昼にしてはなかなかのボリュームを感じつつ、デザートに。デザートは盛り合わせで抹茶アイスとクレームブリュレ、レアチーズケーキのリンゴのコンポート添えと3種類。レモンティーで締めて細かく数えるとデザートを一皿で数えても12品のコース。これで5,000円というのは結構なコスパなんじゃないでしょうか。

オーソドックスな食材を上手にアレンジした、まさに宿場料理の現代版、言ってみればこの辺通過する時にお昼時だったらちょっと奢った昼飯ではありますが、ご当地感は味わいつつホッとする食事を取ってよし旅を続けよう!と気持ちよく思える感じの料理でした。

遊山と違い個室ではなく入れ籠みなので、食べログ等では品数で割ったら1品あたりはファミレスに毛が生えた様な価格なのに、何処の高級料亭でお食事をしているつもりなんだか入れ籠みで一緒になった別の家族の子供がうるさいとか、お約束で混雑している時間で料理の進行が遅いだとか、観光中だから一品ずつコースとして出さずにまとめて出さんかいとか、まぁ私なら恥ずかしくてとても書けない事を匿名だからといって書いているレビューが並んでいますが、そういう身勝手な事を書かれても全く料理の評価にも店の評価にもなりません。こういう入れ籠みでわいわい食べて美味しい物を楽しむ、というコンセプトなんでしょうけど、行った日が行った日だったので静かでゆったりと楽しませてもらいました。一つ一つの料理に付いてもしっかり説明出来る仲居さんでしたし、偶の旅行のスペシャル感という点では遊山の方が良いですけど、遊山は嵐山の最奥に近い化野念仏寺付近なので、サラッと天竜寺・大河内山荘・常寂光寺・祇王寺・落柿舎・清涼寺位で廻るならこちらはこちらで十分楽しめるな、と。

あ、1日目の旅程としてはこの後嵯峨嵐山駅から京都に戻り、東寺で金堂と講堂の内陣を拝観して(子供連れて行っていなかったので)名古屋に向かいました。ちなみに2日目は現存天守の犬山城と明治村を廻り、早めに切り上げて熱田神宮に行って蓬莱軒で櫃まぶし!という予定だったのですが、これまたまさかのアクシデントで蓬莱軒が今年は元旦営業をしないという事で、熱田神宮で初詣をしつつ急遽別の所で櫃まぶしを食べて宿に帰る、という事に。

結果オーライではあるのですが、なかなかに予定通りに行かない旅になってしまいましたw

でもまぁ、久しぶりの京都での新店開拓が満足のいくものだったので、今回は良しとしましょう。久々の食べ物ネタですし。しょっちゅう食べ物のネタというのはどうかと思いますが、閑話休題的にこういうお話も今年はなるべく差していこうかと。その際はお付き合いくださいませ。
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