November 13, 2024

秋の銘作紹介 vol.15 HUSBANDSのJ.G.Hardy's Sharkskin Single Breasted Suit “MORRISSEY” (B.A.T別注)


快適に過ごせるのか良いんですけどねぇ。快適過ぎて冬アウターを出すタイミングがどうにも測れず。出しちまえばええやないか、と思われるかもしれませんが、いややっぱりそこは見たくもないのに見せられるとゲンナリするじゃなかろうか、と危惧してしまうのです。事実大手セレクトショップチェーン等はこれでもかとラグジュアリー(3年ちょい前ぐらい迄は半分近い価格だったのに今ではラグジュアリーとされる価格帯になっているという意味でw)なアウターを煽って煽って売らなしゃぁないからネット上であの手この手で露出させていますが、だからといってそれ見て本当に踊ってくれるエンドユーザーがどれだけいるんだか、と私としてはかなり懐疑的です。

でも逆にどこの商社も触っていないクロージングのファクトリーブランドやアウトドア系のブランドを掘り出してここ5年で進んだ円安を主な原因とする価格上昇分をある程度埋められるセレクトは可能だと思っておりますし、その数年前の在庫の中で相対的に非常に価値のあるアイテムになってしまっている物が複数存在しております。そういったブランドやアイテムを出来るだけ前面に押し出して提案していきたいと思っております。

で、本日の紹介は今となっては30万スーツになってしまったハズバンズのスーツの紹介です。

正直ラグジュアリーなスーツ、という基準がここ数年で随分と様変わりしてしまいまして、15年前でしたら20万出すとベルベストのスーツが買えておりました。ラグジュアリーとなるとキートン・ブリオーニ・ベルベスト・アトリーニといったクラシコイタリア協会所属の不動のサルトというのを見て過ごしてきて、英国だったらギーブス&ホークスとかイードとかサビル・ロウのロイヤルワラントホルダーだろ、とかそんなイメージでした。それらが値上がりしてセールでも手が出なくなってきた頃に日本に持ち込まれたのがこのハズバンズ。この頃のラルディーニやタリアトーレは10万強でしたので、それを参考にして頂ければまぁこのブランドの立ち位置が判ろうかというもの。

とはいえこのブランド、とても珍しいフランスのクロージングブランドにして英国調で当時はナポリでハーフハンドメイドという仏英伊の良い所取りという、クラシコイタリアでもゴリゴリのブリトラでもないという唯一無二な存在でした。
でした、というのは現在ではフランス本国でもインフレが進行して価格が上昇してしまい、販売価格を抑える為に当時のクオリティよりも縫製仕様を簡略化して尖ったテイストも鳴りを潜めてしまったので。それでも価格は30万になってしまっているんですから、日本の輸入品の価格上昇はとんでもないって事でしょう。

このスーツは当時ブランドディレクターであるニコラ・ガバールがこれがやりた
いんや!と様々な媒体で謳っていた、シャークスキンのスーツというのに対するリスペクトとして、英国の硬派な老舗ミルであるジョン・G・ハーディのシャークスキンを使い、英国ロック史にその名を刻むザ・スミスのモリッシーをイメージして作られたモデルに当て込んで作ったスーツです。ピークドラペルでスラントポケットで深いサイドベンツ、ガッツリ芯据えしたイングリッシュドレープの胸周りなのですが、それを本来なら芯を極力減らして軽い着心地を追求するのが基本のナポリで、リゾートに来た英国人の為に技術が確立されたナポリ仕立ての英国調というニッチな仕様でハーフハンドで縫製されております。

兎に角店頭にある他のイタリア製のスーツと比べて頂くと判りますが、その重厚さはまさに英国。それでいて着ると重さを感じさせないバランスが感動的ですらあります。現在48と50の2サイズを各1着ずつ在庫しており、これで209,000円(税込)というのは非常に価値のあるスーツと言えるんじゃないでしょうか。最近年齢を重ねて成長(w)した方も多く、このサイズは何気に欲しい方が多いと思われます、是非チェックして頂きたいですね。

さて明日ですが。展示会はないので普通に定休日としてお休みさせて頂きますが、久しぶりに日暮里に生地を見に行ってこようかと思っております。折角なのでこれまた久しぶりに馬賊でラーメン食べてこようかと。でもいつも通り17時には戻ってきておりますので、お時間の合う方は遠慮なくお立ち寄り下さいませ。

アイテム紹介はロイヤルロウの薄くキルティングライニングしたカバーオール型ジャケットの紹介を予定しております、お楽しみに。
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