September 27, 2024
晩夏初秋の新作紹介 vol.22 SCRT(STAY CREATIVE Co.)の“Such Warmth” S/S Tee
何だかなぁ、降る降る詐欺だよ、こりゃ。そう思ってしまうぐらい今日は台風から変わった熱帯低気圧の影響でかなりな大雨の危険性を予報されておりましたので、こりゃもう仕方がない、と思っていたんですが別に待っていた訳じゃないのですが雨降らない。いや降るんですけどパラっときては止むの繰り返し。まぁその分昨日に引き続き確定申告書類の作成の為の決算項目の集計等が進みはしましたが、元々季節の狭間で秋の立ち上がりのアイテムが投入されてきても実際には動きが鈍いのが9月とはいえ、こりゃどうにも来月以降の身動きにもつながってくるぐらいにしんどい9月だったので、この降る降る詐欺には心をおられそうになりました。
とはいえ、本日は待っていた納品があり、昨日の前振りの銘作紹介に続いて、このタイミングで投入となりましたが、良い感じな半袖&長袖Tシャツの投入でしたので個人的には満足しつつ、いろいろ作業しながらそちらの紹介に向けての写真の処理もしておりました。で、今シーズンは中国返還前の香港を描いた王家衛の堕落天使(英題:Fallen Angels・邦題:天使の涙)と厨二病的伏線や設定で一度観ただけでは理解しきれないと言われる美少女転校生としてドリュー・バリモアが出演している事でも知られるドニー・ダーコの2作品にフィーチャーしたコレクションを取っております。それぞれ半袖と長袖1型ずつ取ったのですが、今日はまず天使の涙から。
個人的に格好良い映画とかドラマとか漫画とか小説ってあまり得意じゃなく。特に単なる青春群像劇を格好良い男女で描かれてしまうと何とも感情移入出来ないからで、どうしても尺があるから映画というのは発生するイベントが象徴的に描かれてしまいますし、長期的に連載されてエピソードに溢れているハイスクール漫画とかなら自然に描く事も可能っちゃ可能何ですが、シチュエーションに萌えるというのではなくあれはそのシチュエーションに自分があると想定して萌えるのであって、それが自分には起こり得ない極めて特殊な日常である、という事を逆に意識してしまうのです。もちろんそれは娯楽作品であるからして、つまんねぇうだつの上がらない人物の単なる日常を描いても面白くも何ともないとも思うのですが、そういうのを抜きにしてああ、この格好良さは良いかも、と思わせられる作品て本当に良い作品なんでしょう。
何故ドニー・ダーコよりもこちらを先にしたのか、というと単に昨日の夜というか日付変わった今日の1時半頃に、BSNHKでMUST BE UK TVをやってまして、70年代80年代の英国の音楽番組を編集して流すこの番組で、アリソン・モイェットが出ていたのが決め手でした。
何をまた全く関係のない方向に話が飛んでんだ??と思われるかもしれませんが、個人的に王家衛という監督に対する評価の高さの一つに彼が選ぶ挿入歌のセンスが非常に良いというのが挙げられます。やはり中国返還前の香港というのは英国でもあってですね、英国のロックを含むヒット曲はそのまま香港でも受けている、という事なんでしょう、このシーンにはこれ、というのがぴたりとハマるのです。特にこの天使の涙を名作たらしめているのはThe Flying PicketsのOnly youをメインテーマに使っているからだと私は思っております。
香港という島、特に九龍地区周辺はかつての魔窟的なイメージは薄れたとはいえ、退廃的で下層民が多くそれでいて香港は開発が進んでいるのでサイバーパンク的とまではいきませんがスチームパンクとの間ぐらいの雰囲気が非常に良く出ております。それが彼の描く香港の魅力であり、本来この作品のエピソードが含まれるはずだった前作“恋する惑星”もそうなんですけど、最近の日本だと日常の切り取り方が叙景的な新海誠監督に通じるところがあります。言の葉の庭で描かれた代々木から新宿御苑や原宿や明治神宮周辺の風景は非常に馴染みのある景色なだけに、その見慣れた日常の中にある風景を心象風景として切り取られるとグッと惹きつけられてしまいますが、観光で訪れた程度の香港ですら王家衛にとっての日常の中にそれを際立たせる為のキャラクター設定をしてその中での人の営みというのを判り易く何も考えずに生きている様で、それでも無慈悲な現実の中上手くいかない日々をもがいて暮らし、刹那の生を実感する瞬間を積み重ねて生きている、というのを描きだしております。
このTシャツはラストに近いシーンで金城武が演じる喋れないマンションオーナーの息子モウが、ミシェル・リー演じる元殺し屋のエージェントを家までバイクで送るシーンを切り抜いております。胸にはそのタンデムで久しぶりに人の温もりを感じたエージェントが微笑むシーンを、背中には登場人物の悲喜交々を連想させるシーンをプリントしており、なかなかい作りこまれた1着になっております。両面共にしっかりとプリントが入っているので、肉厚なオリジナルボディのTシャツと相まって秋に着ていて良い感じでしょう。サイズはS・M・Lの3サイズ展開、価格は9,900円(税込)です。
で、何故アリソン・モイェットをマストビーUKTVで見たらこっちから紹介しよう、という事になったのかというお話が途中でしたので。
その風景や拠り所を求める人の性というのとフライングピケッツのアカペラがとてもハマっているのですが、このオンリーユーはそもそもが彼等の楽曲ではなくYazooという80年代のテクノポップを牽引したデュオの物で、そのヴォーカルがAlison Moyetでした。2年程度の活動だったヤズー解散後のソロで活動しているアリソンのパフォーマンスを昨日見たのですが、何度聞き比べてみてもフライングピケッツの方が沁みるんですよねぇ。シンセサイザー奏者であるヴィンス・クラークがデペッシュモード脱退後に結成したデュオであるヤズーですが、シンセサイザーよりも肉声だけで構成されたバージョンの方がよく聞こえてしまうというのは不思議なものです。このPV、フライングピケッツ版そのものも80年代英国を彷彿とさせるもので良いのですが、後に映画のシーンと重ねて作られたPVバージョンも良いんです。でもまずは今日は彼等に敬意を表してオリジナルを。
名曲ですので聞いた事の買い方は是非。長袖紹介時に映画PVバージョンを貼ろうと思います。
という事でこの週末は雨は降らないみたいですので、是非秋物を見にお越し頂ければと思います。
そして明日のアイテム紹介はモウ1つの作品、ドニー・ダーコの物を紹介しますのでお楽しみに。
人気ブログランキング
23:35:00 |
mercier |
comments(0) |
DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks