September 12, 2018

晩夏初秋の新作紹介 vol.11 biographyのPlating T-cloth Suede Like Face Shirt Jacket


秋本番の涼しさが3週間以上前倒しでやってきた様な気温です。25℃いくかいかないかなので。ここ迄の気温だと朝晩半袖じゃ肌寒いぐらいなので、前回の銘作紹介で紹介しているアレフルードの別注ヘヴィウェイト半袖Tシャツだけじゃいかんな、こりゃ、と思いまして。

いやこの温度差に身体が慣れてくれば、ヘヴィウェイト生地であれば日中はそれでも夏日もしくはそれに近い気温なんですから半袖Tシャツで十分だと思うのです。でも朝晩はねぇ。何しろこの気温、明日迄で週末の3連休にはまた31℃とかの最高気温予報が出ています。となれば増々ヘヴィウェイトな半袖Tシャツというのはこれからの時期重宝するであろう事は間違いないのですが、それだけでは片手落ち。その高い気温の混じる中で、秋に向かうこの時期に快適に過ごすのには羽織物が必要です。

で、そろそろこうなったらまだ紹介していないロイヤルロウのこの晩夏初秋にぶつけたスペシャルなジャケットをアップしてくれよう!と思わなくもないのですが、それはヘヴィウェイトTシャツとのコーデではなく、もっとドレス寄りなカット地やアーシーなカラーだけれど暑さはないドレスシャツなんぞとのコーデとしてお勧めするべき物。となれば銘作紹介やっちったからそれに合わせるのはこれでしょ、というのが今日の紹介です。

見ての通りでパッと見とてもシンプルなシャツジャケにしか見えませんよね(全然関係ないけど1文の中に見という字が3つ入ってしまいましたw)。でもこれ、素材もディテールも縫製仕様も全てにおいて吟味され尽くした、完成度の非常に高い大人の為の1着なのです。

ブランドの付けたアイテム名はショートカバーオールだったのですが。そこ迄ショートかというとそうでもなく。ポケットが付いていて台襟のない首回りからカバーオールとしてますけど、生地のウェイトやそれ以外のディテールからしてこれ、明らかにシャツジャケといった方が正しいアイテムです。後ろから見てもヨークがあり完全にシャツディテールなので、ここは妙な誤解を与えない様にシャツジャケという事にさせて頂きます。

まずとてもシンプルですよね、これ。でも生地はとても凝っています。以前からバイオグラフィーがオリジナルの定番生地として展開していたインディゴプレーティング天竺、あれは上側にインディゴ糸、下側に晒し糸のカット糸を重ねてその2つを撚らずに天竺編みしたものでした。それによって表からはインディゴに、裏からは晒しの色に見え、それぞれが洗う事で若干移染したり隙間から見えたりしてデニムの様な表情になる、というものでした。ロープ染色でカット糸を染めるというのもさる事ながら、この使い方は染色とプレーティング天竺の構造を活かした物でしたが、今回のは同じプレーティング天竺ですが別のアプローチをした生地です。まず表と裏の糸の染色は変えてません。その代わり裏側に当たる方は強撚に近いキッチリとした撚りにしていて、逆に表に出る側の糸は甘撚りにしています。それを同色に染めて重ねてプレーティング天竺にしています。そして甘撚りにした表側を掻いて起毛させ、スウェードというかベロアの様な触りにして表情を出しております。それによって一見グレーのスウェードかヌバックなのかな??と思わせられる見映えになっております。

そんな生地を使って前側のディテールはとてもシンプルに、ポケットが付いている以外はこれといったディテールのないスクウェアカットのオープンカラーシャツに。袖口は一見布帛に見えてもカットソー生地である、という利点を活かし敢えてカフスを付けず、袖口をパイピングするだけの処理にしてブラウジング(腕捲り)をして使う際に一々袖口のボタンを外して・・・という事がない様にしております。デザインの共通性として、そのスクウェアにカットされた裾の部分も袖口と同じパイピング処理にしており、韻を踏む様な仕様の積み重ねによる連続性が気持ちいいです。

そして背面。このヨークと後ろ身頃に対してセンターで割って背中を4分割する仕様、バイオグラフィーが提案する布帛のシャツでも同じ仕様で提案されているものが多いのですが、これによりヨークもスプリットヨークになって肩のラインに垂直なカッティングにしつつ、背中側の生地を90°廻してシャツの背中の横方向が生地方向に対して縦になる様に裁断しております。これどういう事かというと、要するに肩周りは方の動きに沿い、背中のパーツはカットソー生地の伸び方向が横向きになっていますので、腕を動かすのを妨げないというかその向きに伸びる様にしてある、という事です。

一見とてもシンプルですが、こういう指示を出すのはカットソー生地の特性を十二分に把握して十二分に活かし、更に人間の運動量と各パーツの運動方向を見極めてシンプルな見た目なのに裁断指示で快適な運動量を確保する、という事を考える人にしか出来ません。毎回思いますけどバイオグラフィーのディレクターである上田氏は努めてシンプルに普通に見せつつ、その中に生地も仕様も裁断指示もこれでもかと詰め込んできますので、着用者は常に快適でとても気に入って頂けます。

とまぁこんだけ作り込んでいるのですが、細部に更に凝っています。今回はフロントの合わせの部分をパンチの効いたドットボタンにし、着回し易さを加味。更にそのドットボタンの周りは伸び易いカット地だけだと開閉していると伸びてしまうので、しっかり裏から布帛の当て布を付けて伸び止めしているのですが、その生地も60/40ナイロン、綿63%ナイロン37%の生地にしてタフでありながら化繊のみで織られた生地よりも綿の触りがある物を充てています。

とまぁ単なるカットソー地のシャツジャケ、というのに留まらない凝った仕様のシャツジャケで、Tシャツの上に朝晩羽織って15℃から20℃程度の最低気温の中で着るのに丁度良い1枚です。カットソー地なので鞄に突っ込んでおいてもシワになり難いですし、25℃を切る最高気温の日に提案して丁度良いな、という1着です。44・46・48と3サイズ展開、価格は27,000円(税抜)ですが、実際このこなしというかバランスを着て実感して頂ければ納得の価格設定ですよ。

これこの時期にはとても使い勝手が良いアイテムだと思いますので、是非チェックしてみて下さいませ。

明日は展示会3カ所廻りでして、それぞれ見るものがあるインポート中心です、しっかりご報告させて頂きますのでお楽しみに。
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Posted by mercier at 20:05:00 | from category: Main | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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