March 07, 2018

梅春の新作紹介 vol.10 WISLOMのTRAVAIL VELDE 1.1


今日明日は打って変わっての寒さだそうで。そしてこの寒さは明日迄で金曜日は雨なのに20℃近く迄上がるそうな。困ったものです。
それでも今日もこの周辺一桁最高気温なはずですが、凍える様な寒さ、という体感ではなく。寒いは寒いんですが一時的な感じ、ってそういう事に感覚なんてアバウトな表現が当てはまるのかどうかは判りませんがw

さてさて、昨日の予告通り本日はウィズロムのパンツの紹介です。いやぁ、昨日別件でウィズロムの営業担当者と話をしたのですが、いつ紹介してくれるのかと待ち構えているのになかなかしてくれじゃないか、と言われまして。いや何というか生地感と季節の進みとの調整を考えて時期を待っていたんですけどね、そこで1つ情報を頂きまして、それもあって今日の紹介となったのです。

まずその情報っていうのはですね、今書店やコンビニ等の店頭で売られているBEGIN3月号の24ページでガツンと紹介されているんです、今日紹介するVELDE 1.1と同じ素材のLUCIE 1.1というパンツが紹介されている、というものでした。取りあえずこりゃ見ないで紹介書くのもなんですよね、という事でコンビニでチェックしてきたのですが。いやぁ・・・・敢えて書きますが最近は編集者の質が落ちているんでしょうか、BEGIN。間違えてんじゃん、これ!という記述なのか写真なのか、そしてそれ校正者も気付かないで校正しないまま校了って事にしちゃってます。これをそのまま鵜呑みにしてしまう一般消費者は間違えた知識を基に良し悪しを判断する事になるので蘊蓄を売りにするファッション誌としてはどうかと思うのです。

まず生地についてですが、概ね説明合っているのですがインディゴブルーって書かれるとどうかと思うんです。この生地は他では誰も作らない様な面白い試みで、織り方や糸の組み合わせは見ての通りデニムです。しかしそれをナイロン100%で作るとなると別。まず経糸はヴィンテージを意識したダークブルーです。インディゴブルーというのはインディゴを使って染めた青、もしくはその明度と彩度で作られた色という事になりますが、そもそもジーンズのブルーってインディゴ100%の色なんかじゃないですしインディゴのみで染めたブルーはもっと鮮やかに青いですから。

そしてこの生地についての説明があまり為されていない。この生地、単にナイロンで出来ているのではなく経糸はその生のデニムの状態に近い濃紺に染められていますが、糸自体はナイロンなのでそのままだとナイロンブルゾン等にみられる光沢のあるツルッとした表面の糸になってしまうのですが、短いナイロン繊維を撚って綿糸の様な作り方で作られています。それに糊付をして経糸にしております。そして緯糸は糊付せずにそのまま使っております。その結果、本当に綿糸でデニムを織っているのと同じ工程を経ているので、織った後に洗って糊を落とすとまるで綿糸の様に毛羽が立ち、経糸は糊付されて固まっていましたがその糊を落とす事で密度が下がり、綿のデニムの様にナチュラルなストレッチ感が生まれます。つまり色落ちは全くしませんが、それ以外はコットンデニムをナイロンで出来る限り再現している、と言えます。まぁここ迄やるか!?という凝りに凝った生地です。実際いらっしゃったお客様にはこれがナイロンで出来ている、というのを説明する前に触って頂いておりますが、これがナイロンで出来ていると認識出来た方は今のところおられません。

とまぁそんな生地で作られているのですが、何しろウィズロム、生地にも拘っていますがパターンにおいてもこれでもか、という独創的なパターンで作ってきます。

BEGINで紹介されているルーシーはワイドストレートなパンツなのですが。トレンドとしてはキャッチーなシルエットとはいえ、汎用性を重視する私としてはちょっとあの太さは辛い・・・という事でクロップド丈ですっきりしたシルエットのヴェルデというモデルをセレクトしております。しかしこれはこれでなかなかに凝っていまして、シルエットに関わらずダーツの取り方は2型でほぼ共通。違うのはシルエットと背面に尾錠がある(ルーシー)かと細身でありながらイージーな履き方が出来るドローコード付きの内装になっている(ヴェルデ)か、という事で後はほぼ共通です。右の写真を見て頂くとその内装はお判りと思いますが、5ポケットジーンズと違って後中心も割り縫いにして端は丁寧にパイピングをかけ、黒のスレキでドローコードを内蔵させています。

で、その共通設計であるダーツの取りですが、縦にとても長いダーツが入っているのが見て判ります。腿の上ぐらいの位置からコシに向かって深くダーツを取り、極端に腰に丸みを帯びるシルエットではないのにしっかりと腰周りにゆとりを持たせています。そして見難くて申し訳ありませんが、膝の辺りを見て頂くと正面内側にだけ横向きにダーツを取ってバナナパンツの様に人体の足の動きに沿う様にカーブが付いています。更にその立体構造は凝っていまして、写真は1回の紹介に使う枚数のバランスを鑑みて載せておりませんが、後身頃のパーツは膝裏迄は前身に合わせて腰やお尻周りのシルエットを作っていますが、膝裏で上は凸、下は凹にカーブを取ったパーツに分割して膝の裏側の動きに追従する様なパターンに。いやここ迄やるか?という作り込んだパンツなのです。

生地もオリジナルでここ迄やり、パターンワークに凝ったパンツなので、これで28,000円(税抜)というのは、それがインポートの完成度の高いドレスパンツであっても、出来ればパンツの価格は25,000円程度で抑えたいという私の基準を越えていますが、これだけやれば仕方がないよね、と思えるパンツでした。細かく説明してきましたが、そんなの抜きに履けば判る凄まじい迄の履き味なのです。

で、そのBEGINの誤った記述ですが。膝裏にダーツが入り、と書いてこの正面の膝の内側に入ったダーツの写真を載せております。膝裏は凸凹のカーブを付けた切替が入っているのであってダーツなんて入っていません。ダーツが入っているのは正面膝位置内側ですので、正面を写している写真も間違いなら膝裏にはダーツ入っていませんから記述も間違いです。これ写真見れば判るだろうに何故誰も気付かずに校了しちゃったんでしょうね。そして膝のダーツや切替は立体パターンなリーバイスレッドなんかでも、Gスターなんかでも使われていますから、作り込んではいますがそこ迄斬新な仕様ではありません、むしろ腿上から上の端迄続く縦のダーツの方が他にはないパターンですし、説明長くなるのでこれまた端折りましたがその膝の切替位置で前身と後身の合わせ目を変えている事の方がパターンとしてはそこ迄やるか!というポイントです。

別にここで雑誌をディスりたい訳ではなく、1ページ取っておきながらビジュアル一発とキャッチーな生地という切り口でしか紹介していない上に、間違えた記述等もあってこのパンツの凄さを伝えられてないぜ!というところを主張しておかねば、と。発行部数もかなりなんでしょうから正しい情報を伝えて欲しいというのはありますがw

それぐらいこのパンツ、一見ベーシックなのに凄いのです。生地の面白さだけじゃなく、一見癖がありそうなパターンなのに素晴らしい履き味なので、是非試して頂きたいですね。

とはいえ。現時点でサイズ4と5、共にラス1になってしまいました。このブログで紹介していないのに見て触って説明聞いて履いてみて、というのでお買上げになるお客様がいらっしゃったので。なのでこれもまた早めに見にいらっしゃる事をオススメしておきます。

さて。明日はインポート1ブランド見つつ、ペイデイやもうすぐ入ってくる予定の今シーズンからの新鋭ブランドオードーンの秋冬の展示会に行ってまいります。来週合同展が多いので今週のうちに見ておけるものは見ておこう、という事で。帰ってきたら展示会報告は致しますのでお楽しみに。
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